レンダリスト面接時の技術的な質問事項(レンダラ財団版)

by syoyo

(via philo 式)

philo 式で取り上げられていた
プログラマー面接時の技術的な質問事項(アプレッソ版)
をレンダラ野郎向けにもじってみました.

■ 開発実績編
まず、Maya を知っている•RenderMan を知っているなどよりも、どんなものを作れるか、どんなことができるか、という質問。

– hair のレイトレを高速化したいんだけど、良いアイデア無い?
– レイトレでモーションブラー早くしたいんだけどさ、もっといいモーションブラー高速化のためのデータ構造ない?

ここで強烈な回答が来る人は、まあ即採用ですよね.

■ 光輸送方程式導出編
次に、言語に依存しない光輸送方程式導出の基本の部分で、分かっていないとクリティカルなバグが混入する可能性があるような内容についての確認。

– LS+DS+E 経路の解法における潜在的な困難点は?
(実際、これが原因でパフォーマンスが数倍遅くなっていた事例を見たことがある)
– 光輸送方程式を Kajiya のレンダリング方程式として定式化する場合、これは第二種フレッドホルム型積分と見なせることを示し, そこからエネルギー保存則により operator norm が 1 以下であると仮定できるためノイマン展開することができることを示てください.
– 光積分の weak singularity の対処.


■ レイトレ指向編

次に、固有の言語に依存しないレイトレ指向の理解の確認。
ごく基本的な内容だが、現実問題として、「レンダリストを5年やってます」というような人でもこの手の質問にきちんと答えられないことがたまにある。

– 放射輝度(radiance)と放射照度(irradiance)の違いの説明
– ラスタライズとレイトレをどんな基準で使い分けているか
– Ingo Wald と Phillip Slusallek をどんな基準で使い分けているか

■ レンダラパターン編
レンダラパターンは基本的にはコミュニケーションツール(一言で説明できてすぐ伝わる)としての位置づけが重要だと思っているので、すべて知っていないとNG、ということはまったくないが、普段普通に使っている、という人の場合には、お互いのレベルを見るのにもってこいのディスカッション材料なので、よく面接の時に話題に上る。

– Whitted パターン
– Shinya パターン
– Path Tracing パターン(Kajiya パターン)で next event estimation が重要な理由を説明してください
– Metropolis パターンで acceptance rate or rejection rate が多くなりすぎてきたときにどのような工夫をしますか
– QMC sampling パターンを使うべき場合と、MC sampling で対処する場合とを、どのように使い分けますか
– Photon mapping パターンが時として「大域照明解法的に気持ち悪く」なるのは何故ですか

■ 数学編
次に、レンダラ数学経験者の場合に質問する、レンダラ数学関係の質問。
基本的なものからトリッキーなものまで、ここでは下記のような内容を思いつくままにランダムに質問してみることにしている。

– sup と maxの違い
– Ω の定義域は?

– 次の式を解け:

– BRDF は で示すことがありますが、この r の元々の意味は?
– Koksma-Hlawka を発音してください.

■ その他
その他、できるだけ相手の得意分野に合わせて都度レンダリング面接。

—-

さて、ここで取り上げたネタ、どれくらいの方が判るでしょうか 🙂

CG やレンダリストには興味があるけど、な、何のことだかさっぱり… というアナタ、
じつはここで取り上げた内容の多くは GI 本で取り上げる予定でいます.
(GI レンダリング理論、数学、レンダラプログラミングが一式詰まって,
しかしなるべく中学数学レベルで理解できるようにして誰でも理解できるように仕立てています)

というわけで、GI 本(まだ未完成)を読めば, ここで取り上げたネタも「なんだそういう事か」となって、
立派なレンダリストになれること間違いなし!?

おまけ

小野さんのブログにはこんなのもありますね.

読み書きそろばんはすべての基礎
開発環境を最新のものにするとか、新しい言語の学習を始めるとか、
これらのことは、それ自体何も悪いことではない。

ただ、やはり、少なくとも一つの言語で、
読み書きそろばんの基礎を作ることが最優先だと思う。

へへへ、まあ考えることは皆同じというか、じつはこれも GI 本で実現しようとしていることなんですよね.
GI レンダラの読み書きプログラミング(in Proce55ing).

PBRT, RRT(Realistic Ray Tracing) に代わる、GI 世代のための、
レンダラ野郎必携のデファクトスタンダードなリファレンス GI レンダラ実装.
まあ要するに SICP の GI レンダラ版みたいなものね.

海外も一見進んでいるように見えて、じつは「これ!」といった GI レンダラの教本みたいなものってないのですよね.
すくなくとも私の知る限り.
(PBRT が一応あるけど、これはあまり教本的なものではないし、ボリュームがでかすぎるし、呪うべき C++ を実装言語に選んでいる)
なので GI 本が英訳されるようならあちらの大学でも普及が見込まれます 🙂

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