市場平均を上回れ! ゲーム関連株をインデックス買い

by syoyo

一部の短期的に見て確率的にうまくいっているプレイヤーをのぞき、
我々は、長期的に平均的に市場平均(S&P など)を上回るリターンを
あげることは、効率的市場仮説によりほぼ不可能であることが実証されている[1, 2]。
(長期的平均的に見てなので、Warren Buffet という例外もある)

また、デイトレーダーやニュースに反応して売買を繰り返すのはノイズトレーダーであり、
市場に流動性を提供するだけで、これも短期的には確率的に
成功するプレイヤーもいるが、
長期的には破綻するか市場平均を下回ることが実証されている。
ただし、流動性を与えてくれるという意味で、市場には欠かせないプレイヤーである。

ちなみに、ギャンブル、投機、投資ふくめ、
いわゆる賭ごとのたぐいで必勝するのは、

インサイダーになるか、
裁定を見つけるか、
幾何平均で考えて期待値が 1 以上の賭事を見つける
(このときケリー基準で賭け率を設定するとリターンが最大になる)、

しかない [6]。
(投資はリスク分散という意味合いもあるので、正確には賭事ではないが)

巷にあふれる「… で絶対儲ける …」というたぐいの本は、
この色眼鏡を使って見てみたほうがよい。

さて、では市場平均に勝てないならどうするか?
答えは、

市場平均を replicate するものを買ってじっと持ちつづける、

である。つまり売買を繰り返したり銘柄選択にやっきになったりと、
へんなことをせずに、サルになったほうがじつはよいということ。
これは日本でいえば、日経平均の ETF(インデックスファンド) を,
米国市場であれば S&P 500, ダウ平均の ETF を買うということになる。
(ただし、日本株への投資はお薦めしない。これは 1990 年からの日経平均をみれば明らかですね)

しかし、[1, 2] が示すような市場に打ち勝てない、
というのはこれは長期的平均的に見て、ということであり、
我々は通常 30 年 40 年などの間ずっとサルになっていたのでは、
その前に死んでしまうかもしれないし、
本当のサルになってしまうかもしれないというリスクもあるわけで、
このような長期の投資期間を考えるのは長すぎると言える。

そこで、デイトレーダーのような短期ではないが、
10 年 20 年などの中期的な投資期間に目を向ければ、
サル(つまり平均的に)であっても、
市場平均を上回るリターンを得るいつくかの手がある。

ひとつは、Berkshire Hathaway 株を購入することである[BRK.A, BRK.B] 。
B 株であれば、50 万ほどから購入できる。
Berkshire Hathaway のこの 30 年間のリターンは 27% ほどである。

これは Warren Buffet が健在であれば、今後も十分なリターンをあげてくれるだろう。
問題はすでに Warren Buffet が高齢であり、もし彼が死んでしまったとしても、
後継の運用マネージャが同じようにパフォーマンスを上げつづけることができるか、
という懸念である。

もうひとつ、我々(?)のそれなりに身近に関連するもので、市場平均を上回るパフォーマンスを
上げる興味深い例を見つけた。
それは、

ビデオゲーム関連セクターの株をインデックス買いする、

というサルになることである。

ビデオゲーム関連株へのインデックス投資は年利 20%

ビデオゲーム関連セクターの株をインデックス買いする、
だけで、S&P 500 の市場平均を上回るというレポートがある[3]。

[3] によれば、ビデオゲーム関連の会社の株をインデックス買いすることで、
過去 12 年間で年利 20% ものリターンをあげることができたという。
対する同期間の S&P のリターンは 9% であった。

このリターンの値は、Compound annual return[4],
つまり複利で年 20 % である。

以下の図は、20%(game industry) と 9%(S&P 500)の年利で、
初期資産 100 万円を 20 年間複利で運用したリターンである。

return_gameindex_graph.png

9%(S&P500) では、20 年後には 100 万円は 560 万円に
20%(game industry)では、20 年後には 100 万円は 3833 万円!に

なった。

たとえば子供が生まれたときに 100 万円を年利 20% で運用しておけば、
子供が 18 才になったときは 2622 万円 になっている計算になる。
大学費用は十分ペイ可能であるし、さらにそこから運用を続ければ、
自分たちの老後も安泰である。

また、初期の一回だけでなく、さらに毎年 100 万円づつ追加投資した場合、
なんと 18 年後は 1 億 5000 万円のリターンとなる!

EEndex

上場しているゲーム関係会社の株をすべて買えばよい、というのは戦略としては簡単であるが、
実際にひとつづつ銘柄を売買すると取り引きコストもばかにならない。
そこで、ゲーム関連銘柄をあつめたものをインデックスファンド化して商品として
売られていないか調べたところ、EEndex というものを見つけた。

eendex_chart_full.png

このインデックスでは、1990 年の運用開始を 100 とすると、
2007 年末時点では 1000 程度となっている。
compound annual return, つまり(複利での)年利は

(1000/100)^(1/18)-1 = 13.65%

である。年利 20% というレポートには及ばないが、
S&P500, つまり市場平均はまだ上回っている。

年利 13.65% で 100 万円を 18 年運用すると、ちょうど 1000 万円になる。
これでも子供の大学費用には十分事足りるだろう。
毎年 100 万づつさらに買い増ししたとすると、
18 年後は 7598 万円、 20 年後はちょうど 1 億円のリターンを実現できる。

まとめ

というわけで、我々(?)の身近なビデオゲーム関連株へのインデックス投資で、
高齢化、人口減少、インド人の台頭、格差拡大(戦前のあるべき姿に戻りつつあるだけですが)もなんのその、
市場平均を上回るリターンを上げて、だれでも子供の教育資金も老後も安泰、
だから将来に不安にならずにいまやりたいことにもっと集中できるね、というネタ。

2007 年初のエントリ「シャノンの悪魔」[5] につづいて、
今年も最初は金融ネタでした。
誰でも実践できる financial literacy の紹介でした。

ちなみに、もし実行に移すなら早いにこしたことはありません。
複利のパワーは指数関数的なので早いほうが有利になります。
(アインシュタインは世界でもっとも強い力は複利だと言っています)

最近はインデックスファンド(ETF)が日本でも注目されてきており、
ETF のパッケージが多く販売されはじめてきています。
個人投資家でも日本の証券会社で簡単に買えるようになってきています。

しばらくしたら、EEndex だけでなく、ビデオゲームセクターに投資する
ETF が出てきて、日本でも簡単に買えるようになるかもしれませんね。

注意

本エントリはインデックスファンドの売買を推奨するものではありません。
投資は自己責任で。

[1] インデックス・ファンドの時代—アメリカにおける資産運用の新潮流
John C. Bogle
http://www.amazon.co.jp/dp/4492731512

[2] ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
バートン マルキール
http://www.amazon.co.jp/dp/4532352606

[3] http://www.leftbehindgames.com/pages/video_game_industry.htm

[4] Compound Annual Return
http://www.investorglossary.com/compound-annual-return.htm

[5] http://lucille.atso-net.jp/blog/?p=252

[6] 天才数学者はこう賭ける—誰も語らなかった株とギャンブルの話
William Poundstone
http://www.amazon.co.jp/dp/479176305X

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